Art Words
知らなかった言葉が、これから出会う作品をもっと面白くする。
アートの用語辞典。
アカデミズム
Academism
美術学校で制度化された規範に則る表現。マニラでは UP Fine Arts を中心に20世紀初頭の肖像画・風景画に根付いた。
アクアチント
Aquatint
松脂の粒子で版面に微細な凹凸を作り、面としての濃淡を刷る腐食銅版技法。エッチングと併用され、水彩のような階調を生む。
アクショニズム
Actionism
1960年代ウィーンで展開した過激な身体表現。身体・血・儀礼的行為を用い、絵画を超えた行為そのものを作品とした。
アクション・ペインティング
Action Painting
絵具を投げる・滴らせる・身体ごと動かすなど、行為そのものを画面に刻みつける戦後アメリカの絵画運動。
アクリル
Acrylic
合成樹脂を展色剤とする水性絵具。速乾性と耐候性に優れ、熱帯気候のフィリピンで戦後急速に普及した。
アサンブラージュ
Assemblage
既存の物体を組み合わせて立体作品を作る手法。20世紀半ばに彫刻の枠組みを拡張した重要な技法。
アジテーション・プロップ
Agitprop
政治的メッセージを伝える宣伝美術。1970年代マルコス政権下のフィリピンでもプロテスト芸術として展開された。
アトリエ
Atelier
制作の場を指すフランス語起源の語。教育的徒弟制を含意するときに用いる。
アブストラクト
Abstract
具体的な事物の再現ではなく、形・色・線それ自体の関係を主題とする絵画。戦後フィリピンでは Fernando Zóbel が代表格。
アブストラクト・エクスプレッショニズム
Abstract Expressionism
戦後アメリカに興った抽象絵画運動。大画面と身体的な筆致で内面を表出し、アクション・ペインティングやカラーフィールドを含む。
アプロプリエーション
Appropriation
既存の画像や作品を意図的に流用し、文脈を変えて提示する手法。オリジナリティや作者性を問い直す1980年代以降の戦略。
アルテ・ポーヴェラ
Arte Povera
1960年代イタリアの運動。土・布・廃材など「貧しい」素材を用い、産業社会や制度への批評を試みた。
アレゴリー
Allegory
具体的な像に抽象的な概念を託す表現手法。スペイン植民地期の宗教画にも頻出する。
アヴァンギャルド
Avant-garde
既存の芸術の枠組みを乗り越えようとする前衛的な実践。フィリピンでは戦後の Saturday Group や Shop 6 などが挙げられる。
アースワーク
Earthwork · Land Art
大地そのものを素材・場とする美術。砂・土・岩を用い、ギャラリーの外で展開される。
アーティスト・プルーフ
Artist's Proof · A.P.
限定版の版画で、作家が自身の手元に残すための刷り。通常の番号とは別に「A.P.」と記される。
アート・ファブリケーション
Art Fabrication
作家の構想を専門の工房や職人が実際に製作する制作方式。大型彫刻やインスタレーションで一般化し、構想と手作業の分業を前提とする。
アール・デコ
Art Deco
1920–30年代に隆盛した装飾様式。マニラのエスコルタ通りの建築装飾やレリーフにその影響が残る。
アール・ヌーボー
Art Nouveau
19世紀末から20世紀初頭の有機的な装飾様式。植物や曲線をモチーフとし、版画やポスターに大きな影響を与えた。
アール・ブリュット
Art Brut · Outsider Art
正規の美術教育を受けていない作り手による、生(き)のままの造形。フィリピンでは路上画家や刑務所内でのドローイング運動との関連で語られる。
反芸術
Anti-Art
既成の芸術制度や作品概念そのものを否定する態度。ダダに端を発し、日本では1960年代の読売アンデパンダン展周辺の前衛を指す語としても定着した。